棋聖戦第一局を梅田さんがリアルタイム観戦記!

昨日は佐藤棋聖vs羽生挑戦者の棋聖戦第1局、Web進化論の梅田さんがリアルタイム観戦記を書くということで非常に楽しみにしていた。
将棋も手に汗握る熱戦で、観戦記のほうも、「羽生の銀、佐藤の桂」と書いた第一稿から大いに楽しめた。
実際、羽生さんは銀を使い、佐藤さんは桂を使うというまさに観戦記が予告でもあるかのような展開に、なんというかこのお三方の深い繋がりを感じた。
そして観戦記で一番印象に残ったのは以下の一文。

1人がAという手を指したいと思う。でもAという手のあとの展開で、相手の立場に立って考えたときにベストな手が、いかに難解であれ見つかってしまえば、必ず相手もその好手を、いかに難解であれ見つけているに違いない。そういう前提で、対局者はAという手を指すのをやめる。この対局者同士の深い信頼関係が、将棋の「均衡の美」の深みを生み出すことになっている。そんなふうに思う。

これは将棋の神髄をついた言葉だなあと深く感じた。
スポーツなどの他の競技には相手との駆け引きという要素が非常に大きい。しかしプロの将棋は上記の前提の上に成り立っているので、相手との闘い(駆引き)というよりは将棋というゲームそのものとの闘い、そして自分との闘いという面が色濃くなってくるのかもしれない。
特に頂点を極めている人(羽生さんや佐藤さん)はその面が色濃く、だからときおり「将棋の神様」という言葉が発せられるのだろう。
(彼らは将棋の神様と戦っている心境なのだろう)